プロジェクトの概要

自らが語り部となって伝える


若い世代へのメッセージ

日本は敗戦後、戦争をすることなく平和な時代を過ごしてきました。
 これはアジア太平洋戦争の悲惨な戦争を繰り返してはならないという戦争を体験者した人たちの抑制が効いていたためです。戦後70年が過ぎ、その体験者たちの数も年々減少しつつあります。
 一方で「平和ボケ」などという言葉が交わされるような良いのか悪いのかわからない時代になってきている印象を受けます。ただ、今の私が断言できることは、近い将来日本は戦争を知らない世代だけの社会になり戦争の記憶ももっと薄らいでいくようになるでしょう。そして戦争を知らない世代の人たちが、さらに若い世代の人たちに戦争の記憶を語り継いでいかなければならない時代になっていきます。
 体験者の方たちがまだ存命のうち私たちは次の一手を考えて行動していかなければなりません。

これまでの体験を生かして

写真のキャプションを入力します。 私自身ももちろん戦争を知らない世代です。日本の戦争を知りたいという想いで国内外各地へ出かけ行って、自分の五感でさまざまなことを感じ取ってきました。
 その甲斐があってかこの20年でいろいろなことを知ることができました。と同時にさらなる課題を背負い込むことになりました。まさにそれこそが戦争記憶の継承の問題です。世代が変わり人々の意識の中から戦争の記憶が風化していくことは避けられない事実であります。
 少なくとも戦後世代の私たちは、戦争の事実と戦争の本質と、その戦争によってどのような帰結をもたらしたかは知っておく必要があると思います。私たちが若い世代に語り継いでいかなければなりません。
 私は戦争を知らない世代なりに、これまで体験してきたことを生かして自らが語り部となり最低限のことになるかもしれませんが、次世代にバトンタッチしようと考えています。



語り継ぐために

戦争の記憶を語り継ぐために多くの皆さんに集まっていただいたり興味を持っていただくためのイベントの開催をいろいろと考えております。若い世代に語り継ぐ前に、学校関係者、教育関係者、父兄の方々にまずは語り継ぐことの重要性や必要性を理解して賛同していただきたいと願います。

 このようなことを考えたきっかけには、かつて東京の戦跡を撮った写真展を開催したときに、小学生の女の子を連れたお母さんが、新聞に掲載された写真展の記事を見てわざわざ会場に足を運んでくださったことがきっかけです。最終日の終わり間際だったためにその慌てた様子が印象に残っています。お母さんにお話を伺うと、「小学生の娘に戦争のことを知ってもらいたいと思い連れてきた」と話されました。

 親の想いが子供に伝わり、またその子供が親になりその子供に伝えていく、歴史とはそうあってほしいと心からそう思いました。

 私自身がそうであったように若い頃は、一つの言葉、一冊の本、一枚の写真、一本の映画、一人の先生・・・・によって大きく刺激を受け変わっていくものです。私もいろいろなイベントを通して皆さんと出会い関わりを持ちたいと思っています。


生徒たちに向けた講演活動

私は若い世代に語り継ぐために生徒たちに向けた講演活動を積極的に行っていきたいと考えています。私自身これまでは依頼されたときにのみ講演会の講師を務めていました。その行為はあくまでも受け身の立場でした。

 中学生や高校生、大学生相手に話をしながらもっと自らが主導的に語っていかなければ彼らに伝わらないのではないかと感じ始めました。もちろん私が伝えられることには限りがありますが、何らかのきっかけづくりや一つのことでも知ってもらえたり感じてもらえるならそれで十分であると考えます。

 とにかく今の社会はコミュニケーション不足や他人との接触すら拒否する傾向にあります。このことによって戦争のことに限らず代々受け継いでいかなければならない大事なことも途絶えがちになってきています。

 「時代が変わった」と言ってしまえばそれまでですが、時代が変わっても変わってはいけないものもあるのではないでしょうか。私は若い世代に向けた語り部とならなければならないと実感しています。感受性が強く何ごとも学ぼうとする時代に貴重な話や体験談を聞いてほしいと願っています。

まずは大人の私たちから

 私自身が戦争に興味を持ち活動を始めたのはわずか20年ほど前のことです。ずっと以前から興味があったわけではありません。いろいろなことを体験しながらこの日本の戦争にたどり着いたようなものです。
 しかし自分自身でこのことが偶然だったようには思いません。私の淡い記憶の中に小学生の頃に学校の先生から聞いたベトナム戦争や太平洋戦争のことが残っていたからではないかと思っています。

 若い頃に聞いた興味深い話は、そのときには理解できなくても、自分が大人になって社会人としてさまざまな経験を積んだり、あれこれ考えていく中でまた蘇ってくるものかもしれません。
 継続することの大事さを先生から教わりましたが、この言葉の本当の意味を知るのは、実際に継続して何かを成し、それが自分自身のために、そして社会のために役立っているということが実感できたときではないかと思います。

 学校の先生や、教育に従事する人たちも当たり前のことですが世代交代が進み、戦争の記憶を語り継ぐことも難解なことになっている現状があるのではないでしょうか。戦争のことは単なる歴史の勉強ではありません。人間学であり、人生学でもあります。

 過去の戦争からは、多くの教訓や人の生き方、社会のあり方、個人と国家のあり方などさまざまなことを学べると思います学校関係の皆さん、自治体の教育関係の皆さん、子を持つ父兄の皆さん、なにかしら私のやろうとしていることに共感していただけることがありましたら、ご一報いただければ幸いです。
 まずは大人の私たちから戦争と平和を考えていきましょう!よろしくお願いいたします。



2010年よりプロジェクトを立ち上げ。若い世代に戦争のことを知ってもらおう、語り継ごうという思いでこれまで試行錯誤しながらやってきました。カメラマンの仕事として取材・発表は、自分さえ頑張れば何とかなります。語り継ぐ活動は相手あってのことで、自分が頑張ってもなかなかうまくいかないことを痛切に感じています。
それはまだまだ頑張りが足りないということだと思いますが、私一人の活動では、経済的・精神的に厳しくなってきているのが現状です。妻と二人三脚ではじめたライフワーク「日本の戦争」の活動。これまで20年間、妻の支えもあって最優先で撮影取材、発表、講演、そして語り継ぐ活動をおこなってきました。残念ながら、最大の支援者、心の拠り所だった妻を3年前に亡くし、そのことによって「安島 太佳由後援会」も散会してしまいました。主だった支援者も私のもとを離れていきました。
刻々と状況が変わっていくのは世の常、良いこともあれば、悪いこともある。新たな枠組みづくりのために協力者・支援者を求めています。心ある方からのご連絡をお待ちしております。よろしくお願いいたします。

プロジェクト「若い世代に語り継ぐ戦争の記憶」ご支援のお願い☆


今後もプロジェクト活動を継続するために、諸活動費、印刷物の発行費、各学校への働きかけ費用、通信費など活動維持のための寄付金・支援金など皆さまのご協力をお願い申し上げます。私一人での活動のために大変厳しい状況になっております。よろしくお願い申し上げます。


□寄付金・支援金
郵便振込:00160ー6−386400 加入者名:安島 太佳由


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