生徒さんの思い(感想文より抜粋)
■当たり前の「自由」とは
上原良司さんの「所感」は戦争を体験していない現代の私たちにも訴えてくるものがある。良司さんが欲していた「自由」は戦争が終わった今の日本には当たり前に存在する。しかしその「当たり前の自由」は戦争によって再び奪われることだってあり得る。「自由」「平和」「人権」がこれから先もずっと日本に世界に存在するために私たちはかつて起きた悲惨な戦争について学んでいかなければならないと思った。
(諏訪二葉高等学校2年生)
■沖縄で平和のための学習
沖縄にはたくさん戦争の跡が残っているのだと分かりました。沖縄には修学旅行で行くので楽しむ目的だけではなく今の平和な日常に感謝して二度と戦争が起こらない日本にするためにしっかりと自分の目で見て感じてきたいです。悲しいことも、知りたくないことも、忘れたいこともたくさんあると思いますが、すべてを受け止めてしっかり学習していきたいです。
(諏訪二葉高等学校2年生)
■自分の行動に責任を
一番印象に残っている「戦争は政治の延長線上にある」という一言は、今私たちのような生徒であっても考え理解すべきことだと思いました。少し軸がずれただけでも戦争の第一歩になり得るのだと思うと恐ろしくなりました。考える習慣、疑問をそのままにして流されないこと、物わかりの良さが誰かに利用されてしまわないように一つひとつの行動に責任を持って日本の一員であることを自覚しようと思いました。
(千代田女学園高等学校2年生)
■特攻隊員だった曾祖父の話
特攻隊の話が出たとき、私の曾祖父の顔が浮かびました。曾祖父は今91歳で特攻隊として戦地へ向かい生還した人です。国に死を宣告されたのかと思うと身体がふるえ、曾祖父が生還していなかったら私も母も祖母も生きていないのかと考えると涙が出てきそうになりました。曾祖父からは「特攻隊で集められ学校に行きたくても行けなかったから、今学校に行けているのは幸せなんだよ」とよく言われていました。
(千代田女学園高等学校2年生)
■悲惨な過去に向き合うことが大切
特攻隊の話をきいたときのあの悲しいやるせなさをどうしたらいいかわからないのです。でも、この学校で私たちのように勉強していた先輩が、特攻隊だったときいて、戦争がそう遠くない過去に確かにあったと、改めて知ることができました。そして、私たちと同じ戦争を知らない世代の方の「戦争の話」をきいて、過去のことだからといって、目をそむけてはいけないと、思うことができました。今生きている私たちが、しっかりと悲惨な過去に向き合うことが大切なんだと思いました。
(松本深志高等学校1年生)
■人間が人間として扱われない戦争
建物の壁や水筒に残された弾痕、いまだに故郷に帰ってこられない遺骨、特攻隊の方々の写真や遺書。
いろいろな写真を用いて話をしてくださいました。写真は戦争時の状況だけでなく、その時の人々の思いまでをも、今の私たちに伝えているように思いました。特攻隊の方々がどんな気持ちで、敵方に突っ込んでいったのか、戦地に行った人々を待っていた思いは、考えただけで胸が痛みます。戦争の時、人間は人間として扱われません。その人の気持ちや個性は関係なく、ただ戦うための、まるで道具のように扱われます。
(松本深志高等学校1年生)
■戦争をよく知ること
授業のカリキュラムに戦争について知る時間を組み込んで定期的に頻繁に聴かせることができたら、若い人々の戦争への認識も変わるのではないかと思いました。戦争をなくすためには、戦争についてよく知ることが最も効果的だと思います。ただの歴史や他人事にならぬように、もっと知る機会が与えられ、それについて考えることが私たちにはなにより必要なことのように思われます。
(晃華学園高等学校3年生)
■造り物でないリアルな戦争
私は祖母から戦争の体験話を聞いていました。けれど実際には体験したことのない恐ろしい風景や景色など、全く想像することができませんでした。ドラマなどで観た戦争の映像や写真でも、ほとんどが造り物です。でも今日、私は本当のリアルな戦跡(遺骨や特攻隊の写真など)を観ることができました。その衝撃は、今までに感じたことのない苦しい気持ちになりました。私は、今日の講演がなかったら、これからもずっと戦争について、日本について、命について何も知らないまま生きていってたのかなと思うとすこし怖くなります。
(晃華学園高等学校1年生)
■遺骨を早く日本に
戦争についての話は、今までに何度か聞いていましたが、私にとって初めて知ったことで衝撃的な事実がありました。それは、日本兵の遺骨がまだ回収しきれていないということです。彼らは苦しい中、何を思いながら亡くなっていったのでしょうか。まさか喜びながら死んでゆく人はいないと思うので、写真を観ながらとても悲しい気持ちになりました。せめて、骨を日本に戻すことだけでもしたいです。
(淑徳高等学校2年生)
■戦跡写真は衝撃的だった
今回、見せていただいた写真は、自分にとって衝撃的なものばかりでした。今まで、戦争というと過去のものであり、自分とは無関係なものという認識でした。ですが戦争を過去のもの、もう終わったもとするのは間違いだと思いました。どれだけ終戦から時間が流れても、たくさんの人々が苦しみ、亡くなった事実が消えることはありません。
(淑徳高等学校2年生)
■後世に伝えたい
国の上層部からの命令による死があることを気づかされました。とくに特攻隊は死を選択せざるを得ない状況やそれを良しとする風潮や教育など、個人の思いや人格がどれだけ力のないものか、大切にされていないかが伝わってくるものでした。この戦争の恐ろしさを後世に伝えなければならないと思いました。
(セントヨゼフ女子学園高等学校3年生)
■教訓を活かしたい
私が生きるこの時代にももしかしたら10年後、20年後に戦争が起こるかもしれません。いまの私にできることは過去の教訓を活かし社会を戦争に導かないようにできる国民の一人として、この日本という国で世界で生きていくことだと思います。今回の話を聞き、その思いがよりいっそう強まりました。
(セントヨゼフ女子学園高等学校1年生)